45_新潟県十日町市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.45
申請日:2025年11月17日
申請/実施責任者:十日町市 環境衛生課
場所:新潟県十日町市
居住者:当事者本人(70歳、男、酪農)、配偶者(65歳、女、酪農)、子供(35歳、女、パート)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):31頭(0頭)(35頭で申請するも実際は31頭だった)
手術日:12月7日
協力病院:しんけん動物病院
チケット発行数:35枚
手術頭数:29頭(実際は31頭であったため4頭分のチケットが余り、2頭は幼齢のため未手術となった)
協働ボランティア:越後妻有動物愛護協会
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 約40年前、子猫3頭が牛舎の前の箱に入れられ捨てられていた。牛の飼料があるため生きていける環境であり、そのまま牛舎に居ついてしまった。
- その後も何度か牛舎に猫が捨てられ、繁殖して増えていった。不妊手術を考えた時期もあったが、人馴れしていないため捕獲ができず断念。現在は牛舎だけでなく、自宅敷地内にも猫がいる状態である。
- 3~4年ほど前、ボランティアが近隣集落で野良猫の保護活動を実施中、当事者の牛舎から来た猫ではないかという話を聞いた。2025年春、あらためて近隣住民からボランティアに情報提供があり、ボランティアから行政へ相談があったことから事態を把握した。
- ボランティアと動物愛護センターの職員が当事者宅を訪問。近隣住民に迷惑がかかりつつあり、これ以上猫を増やさないよう指導した。
- 当事者は近隣住民へ迷惑がかかっていることを気にしており、不妊手術の必要性も理解している。しかし、頭数増加による高額な餌代の負担が大きく、手術費用が捻出できないことから、飼育環境の改善とこれ以上の繁殖を防ぐため申請を決定した。
- 当事者の聞き取りや現地確認からおおよそ35頭と申請したが、実際は31頭であったためチケットが4枚余った。
- 31頭のうち29頭が手術済みとなったが、幼齢の2頭が手術不可と判断され、ボランティアによって保護された。この2頭についてはすでに里親が決まっており、生後半年を目途に不妊手術を行う予定である。
- 空き缶などのゴミが片付けられたほか、不妊手術によってマーキングによる臭いも軽減された。現在トイレは4つ設置しているが、今後徐々に増やす予定である。
- 猫同士の喧嘩が絶えず、弱い猫は餌を食べられず瘦せすぎていた。手術後は餌を多く与えるように指導し、痩せていた猫は少しずつ健康的になってきている。
- 支援後、手術済みの成猫4頭もボランティアが保護。現場には25頭が残っているが、里親希望者が現れた場合は譲渡を行う。
| 手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 12月7日 | 9 | 20 | 0 | 29 |
| 計 | 9 | 20 | 0 | 29 |
【現場写真(支援前)】


今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
幼齢の猫2頭を除いて、全頭の手術を完了させることができた。降雪期・寒冷期のなか、でき得る限りの防寒対策のもと実施したことも良い経験となった。
行政より先にボランティア団体が関与していたおかげで、当事者との接触、状況把握などが円滑に進んだことが非常に大きかった。寒空の下、長時間の捕獲に従事していただいたボランティアの方々にあらためて感謝を申し上げたい。
手術は完了したものの多頭飼育の状態は変わらないため、県やボランティアと協力し、改善された飼育環境が維持されるよう見守っていきたい。
どうぶつ基金スタッフコメント
始まりは牛舎に遺棄された3頭の子猫でした。その後も牛舎に遺棄された猫を受け入れるかたちで多頭飼育崩壊に至っており、当然、当事者には飼い主としての責任がありますが、この牛舎に猫を遺棄した人間は、命を捨てた責任を何一つ取っていません。
猫の遺棄はれっきとした犯罪です。犯罪は法律に則って正しく裁かれるべきですが、残念ながら動物愛護法が適切に適用された事例はほぼ皆無であり、これが動物愛護法が「ザル法」と揶揄される理由です。何度改正を重ねても正しく運用されないことに歯痒さを感じざるをえません。
今回、幼齢猫2頭を除く全頭が手術済みとなり、6頭(未手術の幼齢猫2頭と手術済の成猫4頭)がボランティアが保護されました。現場にはまだ25頭が残りますが、これまでの経緯を考えれば行政やボランティアによる継続した見守りが欠かせません。今回の支援が無駄になることがないよう、ぜひとも対応の継続をお願いしたいと思います。



