13_三重県名張市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.13
申請日:2023年5月10日
申請/実施責任者:名張市 地域環境部 環境対策室
場所:三重県名張市
居住者:当事者本人(30歳、女、会社員)、母(62歳、無職)、妹(27歳、会社員)弟(26歳、会社員)
居住環境:貸家/戸建
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:38頭
手術日:5月30日、31日
協力病院:三重県獣医師会伊賀支部
チケット発行数:38枚
手術頭数:38頭
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 約15年前から捨て猫などを保護していた。保護していた猫がケージから逃げて交配・繁殖し、6年ほど前から多頭飼育状態に陥った。
  2. 福祉部局から多頭飼育による衛生面での課題について情報提供および住環境改善の相談があり発覚。
  3. 当事者に不妊手術を行う意思があれば、環境改善のため関係機関と調整を行うこととして指導してきた。当事者の意思が確認できたこと、また、住環境も不衛生であったことから申請に至った。
  4. 不妊手術を終えた猫は全頭当事者宅へ戻り、当事者が飼養を続けている。猫の生活スペースであるケージを清掃し、糞尿も片付け衛生環境は改善している。
  5. 当事者は、今後新たな飼育をせず頭数の削減を目指し譲渡に努めること、もしくは終生飼養をすることで適正な飼育頭数を目指し、飼育環境の改善につなげてもらうことを誓約している。
手術日 オス メス 耳カットのみ
5月30日 1 7 0 8
5月31日 11 18 1 30
12 25 1 38

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
本市での初めての多頭飼育救済に当たり、三重県伊賀保健所による獣医師会伊賀支部との調整、猫の管理及び技術支援や、三重県動物愛護推進センターによる不妊・去勢手術に関わる技術的協力を受け、全頭の去勢、避妊手術が無事終了できました。
飼育当事者には、今後新たな飼育をせず、頭数の削減を目指し譲渡に努める、又は終生飼養をすることで適正な飼育頭数を目指し、飼育環境の改善につなげるよう指導し、飼育当事者からもそのように進める意思確認が取れました。


どうぶつ基金スタッフコメント
猫の保護活動をしていた当事者が多頭飼育崩壊に陥った事例です。
保護しても譲渡が進まなければ猫は増え続ける一方で、いつか限界がやってきます。また、保護活動をしていた当事者であれば不妊手術の重要性を理解していたはず。その点を考えればより責任は重いと言えます。
今回の支援によって全頭不妊手術済みとなりましたが、支援前も支援後も、猫は上下運動もできないケージに閉じ込められたままです。当事者には、譲渡を進めて飼育頭数を減らし、猫がストレスなく暮らしていけるよう飼育環境を整える責任があります。行政には、飼育環境の改善についての指導を引き続きお願いしたいと思います。


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