7_宮崎県日南市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.7
申請日:2022年5月10日
申請/実施責任者:日南市 地域自治課
場所:宮崎県日南市
居住者:当事者本人(男、57歳、自営)、配偶者(女、57歳、自営)、父(87歳、無職)、母(82歳、無職)、長女(30代、自営)、長男(30代、自営)、次男(30代、自営)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:29頭(4頭すでに手術済み)
手術日:5月23日
協力病院:どうぶつ基金病院(宮崎)
チケット発行数:25枚
手術頭数:25頭
協働ボランティア:NPO法人まち・ねこ向上委員会
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 2019年頃に野良猫1頭を保護して飼い始めたが、3年ほどで多頭飼育状態となり、この1年で15頭ほど増えた。
- ボランティアを紹介されたが、なかなか連絡できないうちに糞などの問題で近隣住民から苦情があり、紹介された約1年後にボランティアへ連絡。
- ボランティアからは、ケージの中だけではなく広い場所で飼育するように指導があった。
- 申請時に妊娠している猫が2頭いたこと、尿管結石を患っているオス猫が3頭ほどいることから、これ以上頭数が増えると医療費や餌代で経済的に苦しくなることが考えられた。また、不妊手術をすることで鳴き声が少なくなるとも言われており、近隣からの苦情軽減にもつながるのではではないかと思い申請に至る。
- 衛生環境は改善し、猫も元気になった。当事者も猫も、このまま同じ場所に住み続ける。
- 妊娠していた猫2頭は手術前に出産。10頭の子猫が生まれたが1頭は出産後に亡くなってしまった。残り9頭の子猫はボランティアが保護。今後、譲渡先で手術をする予定である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
5月23日 | 10 | 15 | 0 | 25 |
計 | 10 | 15 | 0 | 25 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者の都合で開始時間が遅れたため、ボランティアの方々に負担をかけてしまった。
どうぶつ基金スタッフコメント
行政の報告によると「この1年で15頭増えた」とあります。紹介されたボランティアにすぐに連絡していれば、少なくともこの15頭増は防げた可能性が高く、当事者の自覚のなさに愕然としました。今回の支援によって、現場に残る29頭の猫は全頭手術済みとなりましたが、当事者の飼い主としての責任は最後の1頭を看取るまで続きます。
多頭飼育救済支援は手術をして完了ではありません。行政には、「同じ家庭で二度と多頭飼育崩壊を起こさない」という強い意志を持って、当事者に飼い主としての責任と自覚について説き続けていただきたいと思います。