51_群馬県沼田市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.51
申請日:2022年12月14日
申請/実施責任者:沼田市 環境課
場所:群馬県 沼田市
居住者:当事者本人(60歳、女性)、配偶者(60歳、男性、無職)、次男(28歳、男性、運送業)
居住環境:持ち家
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:21頭
手術日:12月24日
協力病院:ふー動物病院群馬分院
チケット発行数:21枚
手術頭数:21頭
協働ボランティア:NPO法人群馬わんにゃんネットワーク
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 7年ほど前にメスの捨て猫を1頭保護した。
- 猫が脱走して妊娠、子猫を連れて戻ってきた。その後、その子猫が成長して脱走→妊娠を繰り返して頭数が増えた。当事者が別居して世話が難しくなり多頭飼育崩壊状態となった。
- 約4カ月前に当事者の知人が県動物愛護センターに相談。その後、警察やボランティア団体経由で市に連絡があった。ボランティア団体、県動物愛護センター、市が現場を確認し多頭飼育崩壊であることを確認。
- 飼育方法や家屋の管理について指導したが、現場の状況や当事者の経済状況から早期の対応が必要と判断、申請に至る。
- 全頭チケットにて手術済み。猫の飼育場所を1階から日当たりが良くエアコンも設置されている2階に変更、衛生環境が改善した。
- 全頭狭いケージから出て、部屋内で自由に行動できる猫らしい生活ができている。さらに、ケージを4台追加。扉は開けたまま隠れ場所として使用しており、手術後に体調を崩す猫もいない。
- 段差もたくさんあり、1頭あたりの十分な上下運動とプライベートスペースが確保でき、猫のストレスも軽減された。
- 当事者が別居しているため、猫の世話のための訪問頻度を踏まえ、里親探しも視野に入れている。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
12月24日 | 6 | 15 | 0 | 21 |
計 | 6 | 15 | 0 | 21 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
今回は沼田市での2例目だったため、前回の経験からスムーズにボランティア団体と連携できた。
どうぶつ基金スタッフコメント
支援前から完全室内飼育でしたが、最初の脱走をきっかけに多頭飼育崩壊へと進みました。脱走させないことはもちろんですが、1頭のみの室内飼育であっても不妊手術は必要です。そのことが当たり前になるには、まだまだ啓発が不足していることを思い知らされます。
本件では、猫の飼育環境が劇的に改善しました。清掃された室内で穏やかに過ごす猫たちを見ると、こちらまで嬉しくなります。飼い主である当事者が別居している状況を考えると、行政の報告にもあるように譲渡先を探すのが賢明でしょう。今後の見守りや譲渡先探しのサポートなど、行政にはぜひとも継続して関わっていただきたいと思います。