31_鹿児島県さつま町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.31
申請日:2022年9月13日
申請/実施責任者:さつま町 町民環境課環境係
場所:鹿児島県 さつま町
居住者:当事者本人(77歳、男、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:40頭
手術日:9月14日、10月5日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:40枚
手術頭数:40頭
協働ボランティア:動物愛護団体くるみの森
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 10数年前、野良猫1頭にエサを与えたところ住み着いた。
- 最初の猫が雌であったため、ほかの雄の猫と交配し子猫が生まれた。その後も子猫同士やほかの野良猫との交配が繰り返され、中には短命の猫もおり、増減を繰り返しながら現在の状態に至った。
- 動物愛護団体が、家の前を通りがかったときに数匹の猫を発見。後日、団体と役場で訪問し、多頭飼育崩壊に陥っている状況を確認した。
- エサを与える場所の確保(なるべく建物内)と、近隣住民への迷惑も考慮した飼育を指導。
- 当事者は生活保護受給の独居老人であり、猫の不妊去勢手術を受けさせる余裕がなく、かつ、現状のまま放置していては、さらなる多頭飼育崩壊を招くだけであることから、多頭飼育崩壊救済の申請を決定した。
- 多少の糞尿は見受けられるが、以前より改善が見られ、トイレの数も増えている。猫も以前より落ち着きがあり、ストレス等軽減されている。
- 人も猫もこのまま同じ場所に住み続ける。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
9月14日 10月5日 |
21 | 19 | 0 | 40 |
計 | 21 | 19 | 0 | 40 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
このまま放置しておいたらさらに増えていたが、今回の手術で防ぐことができた。また、近隣住民にも理解をいただき、一代限りの命を全うするための環境整備にも取り組み始めている。
どうぶつ基金スタッフコメント
動物愛護団体が偶然に発見したもので、発見当初は近隣からの苦情等はなかったようです。とはいえ、現場の猫は40頭。行政が言うように、今後大きな近隣トラブルに発展する可能性がありました。今回の支援で40頭すべて手術済みとなり、飼育の継続に関して近隣住民からの理解も得られたことは大きな成果ではないでしょうか。
ただし、猫が増えた経緯を考えれば、今後も当事者の飼育環境や周辺の猫の生息状況については定期的なチェックが必要です。二度と同じことを繰り返さないよう、これ以上不幸な命が生まれないよう、必要に応じて周辺のTNRを実施することが望まれます。