12_群馬県沼田市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.12
申請日:2022年6月10日
申請/実施責任者:沼田市 環境課
場所:群馬県沼田市
居住者:当事者(59歳、男、会社員)
居住環境:貸家/アパート
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:30頭(30頭で申請があったが正確な頭数把握ができておらず、最終的に28頭を確認)
手術日:8月26日、27日
協力病院:ふー動物病院群馬分院
チケット発行数:30枚
手術頭数:28頭(実際に捕獲できた頭数が28頭であった)
協働ボランティア:NPO法人群馬わんにゃんネットワーク

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 3年前、知人から子猫5頭を譲り受けた。
  2. 最初に譲り受けた子猫が近親交配を行い、そこから繁殖していった。昨年の秋頃には家屋の天井が崩れ始めて住めなくなり、当事者は車で寝泊まりをしている。
  3. トイレが設置されておらず糞尿はそのままの状態。屋根や壁に穴が開いているため猫は自由に出入りしている。
  4. 猫には毎日餌と水を与えているが、量が少なく痩せている。人には全く慣れておらず、触れる猫は1頭もいない。
  5. 5月に当事者からボランティア団体に連絡が入り、ボランティア団体と警察が現場を確認して多頭飼育崩壊が発覚。その後、ボランティア団体が市に連絡し、6月にボランティア団体と当事者立ち会いのもと、市職員が現場を確認した。
  6. 家屋の管理と猫の飼い方について指導を行ったが、現場の状況や当事者の経済的状況から早期の対応が必要と判断、申請に至った。
  7. 当初の申請は30頭であったが、当事者本人が正確な頭数を把握できていなかった。捕獲・不妊手術ができた頭数は28頭であり、今後耳カットしていない猫を見つけた際には、当事者がボランティア団体に連絡する約束となっている。
  8. 手術済みの28頭は当事者が飼育を継続する。
  9. 現在は業者が入って清掃を進めており、生活スペースの確保ができてきてトイレの数も増えた。しかし、まだ猫の寝床になる箱や隠れる場所が少ないため指導を継続していく。
手術日 オス メス 耳カットのみ
8月26日 10 16 0 26
8月27日 0 2 0 2
10 18 0 28

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
今回の支援で猫の繁殖を防ぐことはできたが、人と猫がともに快適に暮らせる状況には遠い。当事者は業者を雇って部屋の片付けを行っているが、時間がかかっている。今後も状況を確認しながら、適正な飼養管理が継続されるよう指導を行っていきたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者がボランティア団体に連絡したことで発覚したこのケースは、知人から猫を譲り受けてからたった3年間で崩壊に至りました。5頭の子猫を知人から譲り受けたことがきっかけですが、当事者は、その先その5頭をきちんと飼育できるのかを考えるべきでした。同時に、譲り渡した知人も5つの命を一度に1人に譲り渡すことが妥当かどうかを考えるべきでした。「命あるものを飼う」その責任がどうしてこれほどまでに軽んじられるのか不思議でなりません。
現場にいた全28頭の手術は完了しましたが、行政の報告書にもあるようにこれはスタートでしかありません。当事者は今後、しっかりと飼育環境を整え、すべての猫を終生飼育する義務があります。当事者が飼い主としての自覚を持ち続けるよう、行政による指導とボランティア団体のサポートを継続していただきたいと切に願います。


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