どうぶつ基金「さくらねこ」はこの度、Japan Branding Awards2019 Winners賞を受賞いたしました。
Japan Branding Awardsは日本最大のブランディング会社である(株)インターブランドが主催する、「ブランディング」を評価する日本初のアワードです。
このアワードは、優れたブランディング活動を紹介している組織を評価し、その活動内容を紹介、社会に広く共有することで、ブランド戦略を展開する企業・団体の更なる成長の支援を目的に創立されました。
第2回となる今年は、ブランド戦略・体験基盤構成からクリエイティブ開発、コミュニケーション活動を含むマーケティング全般にわたる視点から、それぞれの活動が有機的に結びつき、効果を生み出すことに貢献しているかを分析・評価し、全国から10ブランドが選出されました。
<受賞ブランド>
Best of the Best
・MAZDA(マツダ株式会社)
・TIAT(東京国際空港ターミナル株式会社)
Winners
・愛知東邦大学(学校法人東邦学園愛知東邦大学)
・Airレジ(株式会社リクルートライフスタイル)
・カルピス(アサヒ飲料株式会社)
・OMRON(オムロン株式会社)
・さくらねこ(公益財団法人どうぶつ基金)
・SUPER HOTEL(株式会社スーパーホテル)
Rising Stars
・Snow Peak(株式会社スノーピーク)
・STARBUCKS(スターバックスコーヒージャパン株式会社)
どうぶつ基金がこのアワードに参加したのは、まだまだ認知度が少ない「さくらねこ」を全国の人に知ってもらいたいという思いからです。
どうぶつ基金は、殺処分が年間20万頭を超えていた15年程前から、殺処分を減らすためのTNR活動を開始しました。
ところが、ノラ猫の繁殖行動によって、地域コミュニティから「うるさい、臭い」など、負の認識を持たれてしまい、TNR活動そのものや活動を支えるボランティアに対する理解が進まない現状がありました。
殺処分ゼロを目指し、これ以上不幸な命を増やさないための活動であることの理解を広め、ボランティアの方々が自信をもって活動できることを目指し、さくらねこのブランディングに取り組みました。
殺処分ゼロを実現するためには、TNR活動は最も有効な手段です。
しかしながら、不妊手術に対して「繁殖という本能を奪うのは可哀想」という声や、不妊手術済の猫の目印(再手術をされるリスク回避のための目印)として行う耳先カットに対して「虐待ではないか」という批判があるなど、活動自体にネガティブな印象を持つ人がとても多く、活動の意義を正しく理解し、ポジティブなイメージに変えてもらうかが課題でした。
ポジティブなイメージを持ってもらうには、どのような情報発信や説明を行ったら良いか、様々な意見を聞き、徹底的に議論をしました。
その結果、不妊手術済の猫の目印を「さくらの花びら」に見立て、さくら耳の「さくらねこ」という、誰にでも好感をもっていただけるようなネーミングをつけることに至りました。
また、「さくらねこ」は「猫たちに生きてほしいと思う人の心」、「命を大切にすること」の現れであるとの考えを含めてブランド化することの活動を始めました。
「さくらねこ」の商標登録に加え、3月22日は「さくらねこの日」として記念日登録を行いました。
更には、殺処分寸前のところから保護され、幸せになった動物の写真・動画コンテストの開催、協力病院への認定シールの配布、ポスター、チラシなどでの啓蒙活動を通してTNR活動への理解・共感を求める活動を積極的に行ってきました。
その結果、さくらねこTNRは2019年10万匹を突破、殺処分ゼロに向け着々と成果を上げています。
今回のWinners賞受賞にあたって、審査委員会から評価コメントをいただいておりますので、ご紹介をさせていただきます。
TNR活動に対するネガティブなイメージを、ネーミングによってポジティブな印象に転換したこと、ブランディングやマーケティングに距離を置くNPO団体が多い中で、様々な試行錯誤を経て効果的なブランドを構築したことは評価に値します。
デジタルコミュニケーションを活用して、取り組みだけでなく結果も発信することで、理解・浸透が進み、協力病院も増え、ボランティア活動の活発化を促進しています。
社会課題の解決と、ブランディングの取り組みとして参考になる活動といえ、殺処分ゼロの目標が達成されることを期待しています。
この度の受賞におきまして、どうぶつ基金にご支援、応援をくださる皆様、実際に現場で活動をしてくださるボランティアの皆様、協力病院の皆様、TNR活動に理解を示してくださる行政の皆様に、深く感謝いたします。
これからもどうぶつ基金は、悲しい思いをする命をゼロにするために走り続けます!