36_北海道比布町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.36
申請日:2025年9月19日
申請/実施責任者:比布町役場
場所:北海道上川郡比布町
居住者:当事者本人(79歳、女、理容師)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):29頭(2頭)(当初40頭で申請するも実際には29頭であった)
手術日:11月18日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:40枚
手術頭数:26頭(捕獲後、3頭が死亡)
協働ボランティア:なし
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 明確ではないが、10年ほど前に新聞配達のアルバイトをしながら野良猫の餌やりを始め、次第に理容院兼自宅に野良猫が集まるようになった。
- 野良猫は室内外を自由に出入りしていたことから年々頭数が増え、餌やりを始めて1年も経たないうちに猫が10頭以上となった。
- 2019年5月に近隣住民から「数年我慢してきたが、野良猫やカラス、キツネへの餌付けによって悪臭や糞尿被害がひどくなっている」と苦情があり発覚。以降、年に10回以上は同様の相談が寄せられ、その都度様子を見に行ったり、指導を行ってきたが改善されなかった。
- 2025年4月に隣人から苦情が寄せられ、上川総合振興局2名、町税務住民課1名、町環境生活係1名の計4名で当事者宅の調査を実施。
- 病気の猫もいて衛生環境等が不適切であり、本人も何頭いるかわからない状況であった。動物虐待になりかねない旨を当事者に説明のうえ、飼い猫であるなら室内飼育をするよう指導。その際、妊娠している猫がおり、子猫が生まれたら里親探しをするので連絡するように伝えていたが、その後連絡もなかった。
- 約1か月後、近所の畑に面した物置の床下で猫が出産。子猫の死骸を見るなどして「病気になりそうだ」という相談が当事者から寄せられた。
- 近隣住民3名、振興局2名、町職員2名で当事者に現状確認。今後について話し合いを行い、当事者からこれ以上猫を増やさないようにしたいとの要望があった。
- 当事者は年金生活者であり、猫の病気治療や不妊手術をしたくてもできない状況。救済方法がないか調べていたところ、中富良野町でどうぶつ基金の多頭飼育救済支援を利用して不妊手術が行われたことを聞き、申請に至った。
- 40頭ほどいると思われたが、実際には29頭であった。捕獲後に3頭が亡くなってしまい、残る26頭について不妊手術を完了。手術後に子猫2頭が亡くなり、当事者宅には現在24頭が残る。トイレも増設され、餌やお水の容器もきれいになった。
- 今後は室外に出さない、新たな猫は家に入れない、外で餌をあげないことを条件として、今回の支援を行っている。餌やトイレなどで金銭的に苦しいことから、今後は譲渡によって頭数を減らしていき、最終的には飼育頭数をゼロにすることを目標としている。
| 手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 11月18日 | 11 | 15 | 0 | 26 |
| 計 | 11 | 15 | 0 | 26 |
【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
現場の猫をすべて捕獲して手術することができた。手術当日、北海道全域で大雪によって高速道路が通行止めとなり、協力病院の獣医師が約100㎞離れた手術会場に到着するのが遅れてしまい、終了時間が大幅延長となってしまった。雪の降らない時期に実施できたらよかった。
どうぶつ基金スタッフコメント
まずは、この場を借りて往診でご対応いただいた協力病院の先生方に感謝を申し上げます。北海道は協力病院が遠方のことが多く、搬送では対応できないケースが多々あります。全26頭の不妊手術が1日で終了したのは、往診によるところが大きいと感じています。
本件は、2019年以降、近隣住民からの苦情が毎年寄せられ、行政が長期間にわたって現地調査や指導を行うも解決ししなかったケースです。多頭飼育崩壊を解決する実効性のある方法はたった一つ、不妊手術しかありません。今回の支援では、残念ながら術前術後に5頭が亡くなってしまいましたが、現場に残る24頭はすべて手術済みとなりました。これまでの経緯を考えると継続して状況確認が必要なケースです。この支援が無駄にならないよう、近隣住民の方を含めた見守りをお願いしたいと思います。



