年始年末にLGBTQを考えよう

こんにちは
どうぶつ基金事務局です。

「いきものが自由でしあわせ」、どうぶつ基金が目指す世界です。

いきものにはヒトも含まれ、当然、日本人の13人に一人といわれる、
性的マイノリティーの人も含まれます。
そして、動物の同性愛が自然界で多くみられることをご存じですか?

ヒトの世界でも動物の世界でも同性愛は自然な行動のありようで、
誰に非難されるものでもありません。

実はとても身近にいる大切な人との付き合い方とは?

LGBTQについてマエキタミヤコさんに聞きました。

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年始年末にLGBTQを考えよう

駅でしめ縄を売る小屋が出る季節になりました。

田んぼのある町ではお正月やお餅つきの準備が重なって、本来は正に
「師走(しわす)」、つい走り出したくなる、せわしない時期ですが、、、
仕事がお休みに入って、街はプライベートシーズン。年越しを誰とするか、
家族やパートナーを確認する時間として大事な時間です。せわしなく、
でも、のんびりと。家族と過ごすお年越しと新年のお迎え。この時間の流れは独特です。

2年間のコロナ禍を過ごし、
ステイホームやリモートワークにも慣れてきた年の瀬。
家族や恋人で、大っぴらに愛を確かめ合える時間が公式に確保されているのは、いいことです。

大事な人との時間の過ごし方の好みは人それぞれ。
一緒に食事をしたり、映画を観たり、森のような公園を散歩したり。
ケーキは苺ショートかチョコか、チキンかローストポークか、音楽はジャズか歌謡曲か。
そして、食べ物の好みが人によって違うように、そして、どっちでもいいよ、
という人もいれば、どうしても譲れないよ、という人がいるように。

男の人の恋人は女の人である、という、かつての「公式」があてはまらない、
素敵なカップルも、年の瀬を迎えています。

この人といると安心できる。一緒に生活したい。暮らしたい。子育てしたい。
ずっと家族として周りから祝福されたい。
その人からも周りからもパートナーとして尊重されたい。
そんな人と巡り合えることが、まずもって、奇跡的です。
だから、それがたまたま自分と同じ性別だったからといって、
「もーそんな理由だけでーあきらめきれないよ」という思いになることだって、当然あるでしょう。

出会う前から、恋愛感情の前から、子どもの時から、
自分はどうもみんなと違うな。みんなは自分のこと男だといっているけど、
自分は自分のことを女だと思うな。とか。
自分はみんなが思うように男だとは思うけど、
好きになるのは女じゃなくて男だな、みんなと違って。
と。そんな様々なひとがいます。

自分の生まれつきの性別にしっくりこない。ひとに見せる外見、
ひとには見せないけど自分の体、しぐさやしゃべり方や立ち居振る舞い、
好きになったり一緒に暮らしたりする人(恋愛対象)が、「こうあるべき、
みんなこうしてる」というものとは「なんかちがう」という人が、
私たちが思っているよりもたくさん、います。

そして、そんな「みんなと“違う”人」は、
目安として、左利きの人と同じぐらい、いっぱい、います。

そんな「大多数と”違う”人」のことを、
LGBTQ(エルジービーティーキュー)と呼ぶようになりました。
Lはレズビアン(女の人だけど恋愛対象が女の人)、
Gはゲイ(男の人だけど恋愛対象が男の人)、
Bはバイセクシュアル(恋愛対象が男の人と女の人の両方)、
Tがトランスジェンダー(自身の生まれた性別から変更した人)、
Qがクイア(なんかヘン)とクエスチョニング(わからない)の頭文字で、
それらをまとめて「LGBTQ」。

知らない言葉がいっぱいあると、覚えられないや、と思うかもしれませんが、
覚えなくても、大丈夫。覚えてほしいのは、オトコとオンナは
はっきり違うと思っていた人にとっては、ガラガラどっしゃんと
世の中がもう変わったんです、ということ。子どもの頃、赤ちゃんの服が、
オトコが青でオンナがピンク、で間違えたら大変!とか言っていたけど、
実際は2色じゃなくてレインボーカラーのグラデーション、
しかも途中で色が変わることもある!ということ。
これは、思い込みの激しい既成概念や固定観念に囚われたいわゆる
頭の固い人にとっては、青天の霹靂、仰天ビックリ!あらまー大変!なんです。

学校でも職場でも、男だか女だかはっきりしない人、男なのに女みたいな人、
女なのに男みたいな人、のことを、いじめちゃいけません。
もちろん、誰だって、いじめちゃいけないんです。そもそも。
でも、これまで、男だか女だかはっきりしない人のことを、いじめてきた人が
多いんです。いまだに、気持ち悪い、とかいう人がいます。
でも、そんな人を見つけたら、気持ち悪くないよ、それも自然なんだよ、
と根気よく言っていかなければなりません。

ひとの既成概念はしつこくて、わかっているけど、なかなか直らないもの。
お互いに声をかけあって、お互いを直していかなくちゃ。

2018年の日本のLGBTの割合は8.9%。
2015年の7.6%から1.3ポイント増えています。
「LGBTとはセクシャル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつ
ということを知っていますか」という社会の認知度も、2018年は68.5%。
2015年の37.6%から30.9ポイントもアップしています。

(電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2018結果報告」https://news.yahoo.co.jp/byline/yamaguchikazuomi/20190111-00110844
山口一臣さんの2019/1/11の記事より引用)

常識が常識じゃなくなった、この時代。
この変化をしっかり知っておかないと”危険” です。
常識を教えてあげたのに。良いことをしたのに。正義の人だったのに。
でも、常識はずれは、こっちだった。自説の押し付けだった。強引だった。
自己満足だった。モラハラやパワハラだった、人権侵害だった。そんなことが、よくあります。

既成概念って、本当にこわいんです。

でも知ることで、自分の常識は更新できます。
頭を柔らかくして、人を傷つけないようにできます。

世代の問題だから、放っておけば解決するんじゃないの、と思うかもしれません。
でも若い人でも頭の固い人、思い込み激しい人、心ない発言をして
周りを傷つける人はいるので、知らせて、話し合って、というプロセスがやっぱり必要なのです。

性について、もうひとつ。
今年は、相手が自分を受け入れるには同意が必要という「性同意」も
話題になりました。日本ではまだまだドメスティックバイオレンスや、
パートナーによるモラルハラスメントの被害も多く報告されています。
思い込み、男尊女卑、モラハラ(モラルハラスメント)、
パワハラ(パワーハラスメント)、DV(ドメスティックバイオレンス)、
どれも一方的で強引なコミュニケーション障害です。
相手の意図を汲んでなくて、自分のやりたいことを押し付けている、という点で。
声の大きな昭和の頑固ジジイが奥さんを虐めているように
側から見るとどうもそう見えるんだけど、指摘をしても、本人双方、そこから抜け出せない、、、

あーあ、日本の戦中教育の亡霊だよねー、と私は思ってしまうのです。
しかも、放っておいてもなくならず、次の世代を生み出してしまう、
増えたりする、これは困ります。

LGBTQ、というのは、そういうことに、「ちょっと待ったー」を
かけている、ような気がしませんか。立ち止まって考えるいい機会。
自分にとっても、社会にとっても。
問いかけてくれて、ありがとう、と頭を下げたくなります。

LGBTQを苦しめるのは、男だ女だの固定観念で安心する人。
自分の方が上だと優越感に浸る人。強気に出て相手が従ってくれると
自分が強くなったみたいで嬉しい人。そんな安い沽券(こけん・プライド)を
元手にしたコミュニケーションがもし自分の近くにまだあったら、
見つけて、見直し反省するチャンスを与えてあげてください。

年の瀬です。ゆっくり、のんびり休みながら、
愛について、パートナーについて、家族について、その関係について。
将来について。コミュニケーションの取り方について。考えるいい機会です。

自分の常識を疑おう。自分の愛を信じよう。

よいお年を。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

文責 マエキタミヤコ

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