多頭飼育救済成功例ご紹介

2019年度、どうぶつ基金は29件748匹の多頭飼育救済に着手しました。

その中で島根県出雲市の事例をご紹介いたします。

最初、お問い合わせフォームから 送られてきた画像にショックを受けました。
これまでに多くの現場を見てきましたが、ビニールひもで猫がくくられている現場は
初めてでした。ひもが絡んで首つり状態になりかねない猫の命に関わる危険な状態です。

「これ以上数を増やさないように」という当事者なりの対策だったとは思いますが、繁殖制限のために
ビニールひもで繁留された猫たちの姿には本当に胸が痛みました。

多くの現場は、猫だけでなく人の精神状況、生活の立て直しも考えて
対処をしなくてはいけないので、とても注意が必要です。
そのため福祉専門職の方との協働が不可欠です。
今回は、申請者が出雲市福祉推進課だったためボランティアさんたちも力強かったと思います。

報告書に添付された写真です。猫たちは全頭さくらねこになり、ビニールひもから解放され、
手作りの部屋で以前より快適に暮らせるようになっています。
猫はいったん飼い主の元に全頭戻されましたが、ボランティアが猫の譲渡先を探しており、
里親が決まり次第、猫を引き出しています。

多頭飼育崩壊は、まず、現場からレスキューしようにも、保護場所、費用、飼い主の説得など多くの
ハードルを越えなければなりません。
この現場は、ケースワーカーさんが現場の掃除から飼い主さんへのフォローなどに
積極的に関わってくれたことが成功につながったと思います。
また、猫の里親探しや動物病院への送迎などを担当したボランティアさんたちの働きがあっての事です。

今回の報告にスタッフ一同一斉に「よかったー!」と声をあげました。
厳しい現場の相談や報告が多い中、心の底からうれしかったです。
多頭飼育崩壊は解決できます!
発生源がしっかりとつかめている=おおもとの蛇口を閉めて増えないようにする。
きわめてシンプルな解決策が不妊手術です。

どうぶつ基金には、多頭飼育からの救済を求める声や、
崩壊寸前の危機的状況を訴える声が全国から寄せられています。
崩壊してしまった以上、猫も人も健全な生活が送れるようサポートをしていく必要があります。
そんな待ったなしの非常事態に対して、どうぶつ基金のスタッフは休日返上で対応しています。

多頭飼育崩壊への緊急対応など、いざというときにどうぶつ基金が迅速に活動できるのは、
皆様からの継続的なご支援があればこそです。
しかしながら、仕事の激減や解雇、廃業により、やむ負えず寄付を停止する方が激増し、
どうぶつ基金の資金不足が深刻な状況になっています。
危機的な状況において最も被害を被るのは、いつも小さな弱者です。

トンネルの先に光が見えない大変な状況下ではありますが、どうか罪なき小さな命にも
心を寄せていただき、無料不妊手術継続のために継続したご支援を頂ければ幸いです。

一代限りの命をけなげに生きる猫たちへの支援は
今スグ!こちらからお願いします。
https://www.doubutukikin.or.jp/kifu/