サーカスに動物はいらない

こんにちは
どうぶつ基金事務局です。

サーカスって楽しいよね!

ライオンが火の輪をくぐったり、ゾウが曲芸をしたり・・・
そう無邪気に楽しんでいた裏側には動物たちを取り巻く悲しい状況がありました。

ただ楽しければいい、そうではありません。
そこには苦しい思いをしている動物たちの姿が。

いま世界では、サーカスでの動物使用が禁止されてきています。

だから、少しでも知ってもらいたいのです。
世界のサーカスの実情についてマエキタミヤコさんに聞きました。

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サーカスに動物はいらない

ライオンやゾウ。
本来は、野生のどうぶつです。

でも、サーカスでは見世物として、人間の言うことを聞いて
従っているかのように、輪をくぐったり、逆立ちしたり。
楽しい雰囲気の中で見ていると、まるで、どうぶつたちも
楽しくてやっているように見えるのですが、残念ながら、
それは幻想、勘違いです。

えっ、なんでダメなの?
百獣の王のライオンに人間の言うことを聞かせて
ひざまずかせるなんて、カッコいいじゃない。

そう思う人も、いるかもしれませんが、
その芸は、覚え込ませるのにムチやフックを使って脅して、
縛ったり引っ張ったり力づくだったり、嫌がっているのに無理やりだったり。

野生のどうぶつも、感情のある生き物です。
気持ちや思いも、あります。
縛られたり、閉じ込められたり、力づくで芸をさせられたり、
脅されたりすることで、いじめられたストレスで毛が抜けたり、早死にしたりします。
自律神経失調症という神経疾患を病むことさえあります。
https://arcj.org/issues/entertainment/horse/circus1255/

本来、四本の足で歩くゾウに二足歩行をさせるのも、
病気の原因になります。

犬やネコだって芸をするじゃないか、
犬やネコだってもとは野生だったんだ、という人もいますが、
数千年かかって人間が飼い慣らせた子たちを選んで家畜化した犬やネコと、
そうでない野生動物は、まったく違います。
もちろん犬やネコだって、
無理やり脅して力づくで芸を仕込むのは動物虐待ですが、
野生動物にとってはさらに大きなストレスと不健康、虐待になります。

サーカスを見に来ているお客さんは、こんなこと、
聞いたことがないかもしれません。
せっかくの楽しい雰囲気がぶち壊しになるサーカスのタブーで、
だれにとってもそれは、考えたくないことでしょう。

でも、だいじょうぶ。
少なくとも、あなたは、ここまで読んでしまいました。
タブーは、全員が目を背けているうちは効力を発揮してタブーであり続けますが、
誰かが直視して、タブー視することなく話を始めてしまえば、
みるみるうちに崩れていきます。

一度知ってしまうと、もう知らなかった頃の自分に戻れない、
そして知ってしまうと意外と良心的なのがニンゲンです。
悲しいサーカスの不都合な真実も、ついに隠し通せなくなってきました。

2009年6月、南米のボリビアで、世界初の移動サーカスで
すべての動物の使用を禁止する法律が成立しました。
2012年1月には、ヨーロッパ初、ギリシャで、
すべての動物をサーカスで使うことが禁止されました。
サーカスだけでなく、娯楽施設や街頭の見世物にも
動物を使うことが禁止されました。
2013年にはイギリス(野生動物)とコロンビアとインド(ゾウ)が、
2015年にはアメリカが、2017年にはラトビアとイタリアとアイルランドと
スコットランドが、2018年にはイギリスがサーカスでの
すべての動物のショーを禁止、2020年はフランスが数年かけて
サーカスでの動物ショーをなくしていく方針を発表しました。
フランスは「違う形で再出発する様お願いしている」サーカス団と
イルカショーの水族館が禁止措置に対応できるように政府が最大で
9億8千万円の援助をする予定です。

2020年9月の時点で、53か国、56の国と地域で、サーカスでの
動物の利用は何らかの形で禁止されています。(表1)

かわいそうなどうぶつの芸の見世物に拍手をしたり、
楽しんだりすることは、いじめを見て楽しんでいるようで悪趣味で残酷、
子どもの教育にも良くない、と思う人も増えています。

今、世界のサーカスは、どうぶつの芸の見世物から卒業し、
人間のすばらしいパフォーマンス(芸能)を魅せる場に進化しています。

この記事を読まなかったことにして、
サーカスの裏の実態を気がつかないふりをして、
無邪気にサーカスを楽しめる人はそんなにいないと思います。
ぜひこの話を、お知り合いにも、よろしくお伝えください。

文責 マエキタミヤコ

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https://www.doubutukikin.or.jp/contribution5/

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