「ノネコ管理計画」見直しを求める院内集会レポート

奄美大島「ノネコ管理計画」見直しを求める院内集会レポート

<院内集会概要>

日時:6月12日(水)13:00~15:00
場所:参議院議員会館講堂
登壇者:福岡大学教授 山﨑好裕、どうぶつ基金理事長 佐上邦久、NPO法人ゴールゼロ代表 斉藤朋子、ジャーナリスト 笹井恵理子、朝日新聞ジャーナリスト太田匡彦、与野党の議員

開催日が平日でしたが、参議院議員4名、衆議院議員9名、港区区議会議員2名、一般参加100名を超える方にご参加いただきました。

この「ノネコ管理計画」が始まった当初、遠い島の問題と捉えられ、私たちには関係がないこととしてなかなか関心を持ってもらうことが出来ませんでした。しかし、計画が進むにつれ、私たちの身近なところでも起こりうるかもしれない問題となり、多くの方がこの問題を考えてくださるようになりました。

どうぶつ基金が奄美大島にさくらねこ病院を作り、現地調査、島の猫の無料不妊手術を行い、明らかになってきた事実がたくさんあります。

杜撰な調査数値を元に、多額の税金を投入して猫の駆除を行う根拠がないことがあらゆる資料から解明されました。

また、世界自然遺産登録とノネコ管理計画は何ら関わりのないこととされてきましたが、朝日新聞太田記者の情報公開請求により、奄美希少野生生物保護増殖検討会の議事録から、世界自然遺産登録には外来種としての野生化したイヌ、ネコを希少種生息地域から排除していくことが話し合われていたことが分かりました。

生物多様性を掲げるユネスコの理念とはかけ離れた計画が、実行に移されることとなったのです。

また、現在ノネコの殺処分は行われていませんが、それは、ノネコ譲渡認定者が必死な思いでノネコを譲渡し続けているからです。殺されていなければいいという問題ではありません。

私たちは即時にノネコ管理計画の見直しを求めます。

院内集会後に同計画の見直しを求める集会アピールを採択し、環境省担当職員手渡しました。

 

以下、集会アピール全文を公開いたします。

 

<奄美大島「ノネコ管理計画」見直しを求める院内集会 集会アピール>

平成30年度から環境省は、島に生息する希少種を保護し、奄美大島の生態系を保全する目的を謳った「ノネコ管理計画」をスタートさせました。同管理計画では、捕獲したノネコの譲渡先が見つからない場合、殺処分も辞さず迅速な駆除を行うべきことを明言しています。この計画は、同省の2003年度時点のアマミノクロウサギ推定生息数2,000~4,800頭を前提としていますが、環境省は2015年度時点で15,000~39,000頭まで回復していることを示すデータを得ていたことがわかっています。さらに、これまでのノネコ捕獲実績が目標の6分の1程度であることから見て、ノネコ生息数も数倍程度は過大に評価されていることが推測されます。つまり、ノネコが生態系に甚大な被害を与えているという主張、ノネコの駆除を迅速に進めるためには殺処分が必要であるという主張の根拠はともに失われたと考えざるをえません。このように、効果のほどが疑われる計画に、10年間で推定5億円の税金が投入されることは国民として看過できるものではありません。希少種の保護のための別な方法を検討し、そちらにこれらの税金を振り向けるべきです。
安倍晋三首相は即位後朝見の儀において、令和新時代は「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ時代」であると述べられました。美しき日本の国振りのなかには、動物愛護管理法の保護法益である「動物を愛護する気風という良俗」が含まれていることは疑いの余地がありません。全国自治体で犬猫の殺処分ゼロが謳われるようになった現在、奄美大島で愛護動物「ねこ」の殺処分を前提とした「ノネコ管理計画」が進められることは、この観点から見ても全く道理に合わないのです。
こうして、この集会に集まった私たちは宣言し、環境省の皆さんに呼びかけます。「ノネコ管理計画」を見直してください。きちんと検証された推定生息数に基づき、アマミノクロウサギをはじめとする希少種保護に真に有効な対策を考えていきましょう。共に手を携え、不幸な猫たちがこれ以上増えないための行動をしていきましょう。捕獲された猫たちの譲渡先を、時間をかけて探し出し、安易な殺処分に頼らずに済む方途を見出していきましょう。
令和新時代が、この日本の国土に生きる人々にとっても、同じ国土の隣人であるすべての動物たちにとっても平和で幸せな時代になりますように。こう祈念しながら、私たちは謹んでこのアピールを宣言いたしたいと思います。

 

 

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