野鳥をバードストライクから守ろう

コロナ禍でいかがお過ごしでしょうか。
私はコロナ感染防止の外出自粛のため一日家にいる日が多くなってきました。
そうなると家の周りに棲む生き物たちも、今まで以上に見えてくるものですね。

photo:sagami

4月21日、午前。
わが家の窓にぶつかってひっくり返っていた野鳥コゲラを見つけました。
びっくりしました。
おそるおそる、近づいてみると、死んでいる、わけじゃないみたい。
血も出ていないし、息もしているし、ときどきぴくっとするし。
はは~ん、これは、ガラス窓にぶつかって、
脳震盪(のうしんとう)を起こしたんだな、とすぐにわかりました。

そこで、暗い箱に入れて、温くして、水をあげたところ、
3時間ほどたったら、元気に飛んでいきました。
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わが家の窓は大きなガラス窓なので、よく鳥がぶつかるんです。
そこで以前からうちのガラス窓には鳥のステッカーを貼っていたのですが、
今回は、ステッカーを貼っていない窓にぶつかったんです。

しまったー。そうきたかー。
ということで、すぐに、ステッカーを追加購入し、全窓に貼る決意をしました!

こんな記事も見つけました。

日本経済新聞のネットの記事
「NY市、高層ビルに「野鳥に優しい」ガラス義務づけ」2019年12月14日 です。

「ニューヨーク市議会が高層ビルの新築や改装の際に、
野鳥の衝突を防ぐ加工を施した窓ガラスの採用を義務づける条例案を可決した。
2020年12月の発効を予定する。

米東部・中西部はカナダと中南米を行き来する渡り鳥のルートが集中するが、
ニューヨーク市だけで年間で9万~23万羽が高層ビルに衝突死しているとの推定があり、
生態系への影響が懸念されていた。」

ニューヨークで増えている壁面全体にガラス素材を取り入れた高層ビルは、
その壁面が空や周囲の木などを鏡のように映すため、
鳥が窓ガラスと認識できず、衝突事故の多発につながっている(抜粋)、のだそうです。

この新しい条例は、「地上23メートルまでの外装の少なくとも9割に、
鳥が認識しやすい加工やデザインの素材の使用を義務づけ」し、
「ガラスに模様や紫外線フィルムをつけることで、鳥の衝突が大幅に減らせる」のだそうです。

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サンフランシスコ市(カリフォルニア州)は、ニューヨーク市よりも早く、
この鳥をガラス窓から守る法律を採用していたそうです。

記事の中にはデータもありました。

「米コーネル大は19年、米国内で高層ビルにぶつかって死ぬ野鳥が
年間6億羽に達するとの調査を発表した。
特に、夏と秋の渡りシーズンに、高層ビルの集まる大都市で多いという。
同調査が公表した「渡り鳥に危険な都市ランキング」では、
春・秋の渡りシーズンともに1位がシカゴ(イリノイ州)、
2位がヒューストン(テキサス州)だった。ニューヨークは春が8位、秋が5位だった。」

「NY市、高層ビルに「野鳥に優しい」ガラス義務づけ」日本経済新聞社 2019年12月14日

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おとなり韓国でも動きがありました。東亜日報のネット記事です。
(「透明窓ガラスにステッカーを貼って鳥の衝突を防ぐ」東亜日報2020年11月17日)

11月14日京畿河南市(キョンギ・ハナムシ)の渼沙(ミサ)中学校近くの透明防音壁の前に
野鳥衝突低減ステッカーを貼るボランティア約70人が集まり、鳥が構造物と認識して回避できるように、
84メートルの防音壁に銀色の四角いステッカーを5センチ置きに張り付けた。

韓国鉄道施設公団、忠南瑞山(チュンナム・ソサン)バードランド、
慶南統営(キョンナム・トンヨン)のRCEセジャトラセンターなども今年このようなイベントを行った。

透明防音壁や建物の窓にぶつかって死ぬ鳥は年間800万羽。

(国立生態院発表、「透明窓ガラスにステッカーを貼って鳥の衝突を防ぐ」東亜日報2020年11月17日より)

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さらに、東亜日報の記事にはステッカーについての記述もありました。
これは細かい話が重要なので、そのまま引用します。

「猛禽類のステッカーを貼ることもあるが、これはあまり効果がない。
国立生態院は、2018年に発表した「野生の鳥と窓ガラスの衝突」と題した報告書で、
「形が重要なのではなく、鳥が遮られたガラス窓があることを
認識できるほど、多くつけてこそ効果がある」と指摘した。

ほとんどの猛禽類ステッカーはまばらに貼り付ける。
最も簡単な選択肢は、格子柄だ。
透明性を維持しながら、鳥が構造物として認識できるように、
一定の間隔で柄を入れることだ。

海外研究によると、鳥は高さが5センチ未満、幅が10センチ未満の柄があれば、
構造物であると認識して避けていくという。

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韓国でも効果が立証された。

2018年、大田(テジョン)の防音壁を二区間に分けて、
片方だけに格子状ステッカーを貼り付けたところ、11ヶ月間、
貼り付けていない区間では200匹が死んだが、貼り付けた区間では4匹のみ確認された。
この方法は、一般建物でも活用できる。

鳥は、主に4階建て以下の建物にぶつかる。
鳥衝突事故は、郊外のペンションや住宅、渡り鳥が移動する島で特に多く発生する。

国立生態院・動物管理研究室のキム・ヨンジュン室長は、
「鳥が窓に反射された空を何もない場所と勘違いしないように、
縦5センチ、横10センチ以内の間隔で表示することが重要だ」とし、
「窓の外側にステッカーを貼ったり、ロープを垂らしたり、
アクリル絵の具で絵を描くなど、さまざまな方法を活用できる」と説明した。

色ガラスを付けるか、様々な文様のフィルムを貼るなど、
デザインを変形することも有効だ。
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ステッカー付着が鳥の衝突防止に効果があることが証明されたことにより、
環境部は今年、鳥の衝突被害が懸念される10カ所を選んで、
ステッカーを支援する事業を開始した。

来年3月までに、ステッカーなどの関連製品の評価案も用意する方針だ。
また、防音施設の性能と設置基準など、
関連ガイドラインに鳥衝突を防ぐ内容が含まれるように、
国土交通部と協議して改正を推進することにした。」

(カン・ウンジ記者 kej09@donga.com
「透明窓ガラスにステッカーを貼って鳥の衝突を防ぐ」東亜日報2020年11月17日より)

ふーん。世界ではここ数年で、いろいろなことがわかってきているようです。
 さらに、アメリカ国内の高層ビルにぶつかって死ぬ鳥は年間6億羽、
というCNNのショッキングな記事も発見しました。

米コーネル大学鳥類学研究所が発表したデータだそうです。
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このCNNのニュースでは、さらにアメリカの
渡り鳥がさらされる危険について、くわしく書かれていました。

「危険な都市のランキングはシカゴを筆頭に、ヒューストン、ダラスの順。」

「夜間に飛ぶ渡り鳥が多いことも、問題を悪化させる一因となっている。
暗闇の中を飛ぶ鳥たちは、高層ビルの照明に引き寄せられて、
壁面に衝突したり互いにぶつかったりする。
方向感覚を失って何時間も飛び回り、
疲れ切って危険な環境に着地してしまうこともある。」

「窓の内側にある観葉植物に惑わされ、
安全に着地できる場所と認識してしまう野鳥もいる。」

ふーん。私たちの日頃の生活ではなかなか見えてこない
渡り鳥の生活は、ほんとに大変なんだなあ。
そして、野鳥や渡り鳥を守ろうという世界的な動きが始まっているんだな、
ということが見えてきました。
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このCNNのニュースの結びは「米ニューヨークで野鳥の保護活動を
行っている団体は、高層ビルのオーナーに対し、渡りの季節は照明を消して
野鳥の保護に協力してほしいと呼びかけている。」となっています。

ほんと、いろいろな呼びかけがあるのですね。
(「高層ビルに衝突して死ぬ野鳥、米で年間6億羽」CNN.co.jp 2019年4月9日)

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日本でも誰か調べてくれないかなー。

あ、あった。
個人の方のブログ(野鳥や樹木などの自然観察が好きな、
宇治市在住のコピーライターさんが書く
「樹樹日記」さんの2020年5月29日)に、20年前のデータがありました。

「20年ほど前、帯広畜産大学が鳥の死因を調査しました。
対象は、北海道東部で拾得された死体や弱って保護された鳥60種150羽。
最も多い死因は衝突死で70羽(46.6%)。
以下、交通事故死35羽(23.3%)、衰弱死あるいは餓死11羽(7.3%)
その他の事故死9羽(6.0%)、ネコによる捕殺7羽(4.7%)、
天敵による捕殺5羽(3.3%)、不明13羽(8.6%)でした。

種類別では、アオジ14羽、オオハクチョウ、シメ各9羽、ハクセキレイ6羽、
トビ、オオタカ、ハイタカ、ハシブトガラ、シジュウカラ、スズメ各5羽とのこと。」

さらに、大阪市内中心部にあるとあるビルの窓ガラスに
2010年追突死した鳥は33羽。という記事を発見。
(「和田岳さんの身近な鳥から鳥類学・その4 窓ガラスに衝突する鳥」日本野鳥の会、大阪支部のホームページ)

「一つのビルだけで33羽。
都心部のたくさんのビルのたくさんの窓ガラスを考えると、
その合計は莫大な数に上ることでしょう。
日本全体を考えると、いったいどうなるのでしょう?」

「和田岳さんの身近な鳥から鳥類学・その4 窓ガラスに衝突する鳥」
日本野鳥の会、大阪支部のホームページ

https://wbsjosaka.com/006-birdszukan/chouruigaku/wadagaku000/004/index.html

ほんとです。
ほんとうに、いろいろ考えさせられるコゲラちゃんの衝突でした。

脳震盪で済んでよかった。
この日の私の気づき、そして思いは、まとめると、

  1.  知らないうちに、私たちの暮らしが、多くの野鳥の命を奪っている
  1.  日々の暮らしをちょっと見直すと、助けられる命がある
  1.  深夜まで光り輝く電気は野鳥たちの命を危険にさらしている
  1.  まずは知る。その次は何かできないか考える。ということをしてほしいな

です。

みなさんにも知っていただきたくて、長々書いてしまいました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
写真は、私が助けたコゲラちゃんです。いまも元気で飛び回っているといいな。
 
photo:sagami

これは、コゲラちゃんがぶつからなかった方の窓に貼ってあったステッカーの写真です。
photo:sagami

佐上悦子

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