福島みずほ議員 奄美大島ノネコ駆除の中止を環境省に要請(8月30日院内集会)

*9月18日回答書追加しました。

8月30日、参議院議員会館で行われた「奄美のノネコ問題院内集会」で福島みずほ議員(動物愛護議連事務局長)が、環境省に対して、違法なノネコ捕獲作業の中止を求めました。

世界遺産登録を目指す奄美大島で、猫や捕獲が禁止されている希少種ケナガネズミ、アマミノクロウサギ、トゲネズミ、ルリカケスなど150頭以上を誤捕獲し、高温多湿の捕獲器内に置くという劣悪環境で長時間(24時間)水や食料が与えられない状態で放置占有している事実が指摘され、環境省に対して、違法なノネコ捕獲作業の中止を求めました。

どうぶつ基金からの警告を完全無視

どうぶつ基金では、7月に奄美大島でノネコ捕獲器の設置状況を調査しました。その結果、
環境省および株式会社奄美自然環境研究センターは道路占有許可及び道路使用許可を得ずに、旧国道58号線上(瀬戸内町道網野子峠線 不法占用・不法使用の確認期間7/10-8/1 )に多数のノネコ捕獲ワナを無許可で設置して道路を占有し捕獲作業を行っていたことが明らかになりました。
どうぶつ基金が発見した捕獲ワナは、ダンプカーが行きかい砂埃が舞う旧国道上に、炎天下放置されていました。どうぶつ基金が後日行った実証調査では捕獲ワナの室内は54度を超える高温でした。


奄美大島で設置されていた捕獲器は、激しい雨でも入り口は開けっ放しで、捕獲器半分ほどにカバーはかけられていましたが、雨が吹き込み、日に1度の見回りでは、捕獲された猫はずぶぬれになって低体温になることも予想される状況です。
その反対に、暑さが厳しい日には、30分放置すれば熱中症や脱水による死亡も起こりうる状態(山口武雄獣医師見解)でした。
この捕獲器にはこれまでノネコ以外に飼い猫や、アマミノクロウサギなどの野生動物が150頭以上も誤捕獲されています。
どうぶつ基金では、7月に環境省と鹿児島県に動物愛護法第44条に基づいた保護管理を求め、せめて法を順守した捕獲計画が実行できるまでの間の捕獲の一旦停止を求めてきました。
しかし環境省は私たちの警告を無視して、残酷な虐待行為を続けています。
それでもノネコ駆除が必要ならば法を順守した捕獲をすべきです。

福島みずほ議員は、
猫だけでなく他の動物も含め、1日1度の見回りで、水や食料が与えられない状態で、高温多湿で狭い捕獲器に閉じ込め衰弱に至らしめる環境省の捕獲行為は、明らかに動物愛護法44条違反で、動物虐待に当たる。
さらに言えば、今年、動物愛護管理法の改正が行われ、現在、環境省が違反している第四十四条第一項中「二年」を「五年」に、「二百万円」を「五百万円」に改め厳罰化された。それぐらい重大な罪を犯している。同法を順守したうえで、計画にあるように年間300~360頭のノネコを駆除することが不可能なことは明白だ。よって計画の中止を求める。」という旨の発言をされました。

どうぶつ基金は、法を順守したノネコ捕獲を行うといくらかかるか試算を行いました

現在、奄美には300台の捕獲器が24時間設置稼働されていて、それを6人の職員が2名一組で1日1回見回っています。
同法44条を順守したうえで捕獲器を設置する場合、捕獲器1器につき、最低1名の24時間監視が必要で、3交代制をとっても3名の人員が必要です。300台の捕獲器なら900人の職員が毎日必要になります。計画の2割程度しか捕獲できていない現状から鑑みて、計画通りの捕獲数を実現するにはさらに5倍 1500台の捕獲機設置が必要になり、毎日4500人の人員と費用が掛かります。
同法44条を順守して、ノネコ管理計画通りの予定捕獲数である毎月30頭のノネコ捕獲を達成するには、
人件費だけでも
4500人 x 30万円(人件費)= 13億5千万円(1か月)
13億5千万円 x 12=162億円(年間)
162億円x10年=1620億円
10年計画においては1620億円の人件費が必要となります。
環境省には、1650億円もの費用をかけて、それでもノネコ3000頭の駆除殺処分が必要であることの根拠について説明責任があるでしょう。

まとめ

話し合いの後、環境省に以下の再要請と質問を行い、環境省からは早急に近日中に福島議員あてに回答するとの返事をいただきました。

1、そもそも12年間ネコ駆除無しに、アマミノクロウサギは約10倍に増えている。他の希少種も世界に誇れるほど増えている。(環境省検討会より) ノネコ駆除は不必要であることは環境省自身が明証している。血税を無駄に使い、残酷で無意味なノネコ駆除の即時中止を引き続き求める。
2、現状、私たちの駆除中止要請を無視して行われているノネコ捕獲は、猫だけでなく他の動物も含め、1日1度の見回りで、水や食料が与えられない状態で、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させている事実から、明らかに動物愛護法44条違反であり、動物虐待に当たる。環境大臣においては関係部署および請負業者らに対して刑事訴訟法第239条第2項を順守した対応を要請する。
また、同法を所管する環境省が、動物虐待を続けている現状は言語道断であることから捕獲の暫定的中止を要請する。
3、ノネコ駆除中止決定までの暫定的対応として、同法44条違反にならない捕獲方法に変更することを要請する。
法順守のために最低しなければならないことは、「捕獲器稼働中は捕獲器を常時監視するために捕獲器1台につき、最低1名の職員を常在させる。現状の24時間稼働の場合は24時間の常在監視を行う」ことであり、この対応ができる数の捕獲器の設置にとどめることを要請する。
4、ノネコの譲渡については、ノネコ駆除中止決定までの暫定的対応として、譲渡条件の緩和を求める。
5、動愛法を順守した捕獲を行うには1650億円が必要だが、1650億円もの費用をかけてもなおノネコ駆除が必要であることの根拠について合理的な説明を求める。
6、上記、2、3、4は上記1で要請しているノネコ捕獲中止実行までの暫定的対応として要請するもので、本要請は血税を無駄に使い、残酷で無意味なノネコ駆除の即時中止を求めるものであることを再度、申し添え、本件の早急な対応と回答を求める。

※参照

動物の愛護及び管理に関する法律

第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。
4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬は虫類に属するもの
刑事訴訟法 第239条第2項
官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

 

以下、環境省からの回答

 

どうぶつ基金等 による再要請と質問に対する回答
令和元年9月13日
希少種保全推進室

1.そもそも 12 年間ネコ駆除無しに、アマミノクロウサギは約 10 倍に増えている 。他
の希少種も世界に誇れるほど増えている。(環境省検討会より) ノネコ駆除は不必要で
あることは環境省自身が明証している。血税を無駄に使い、残酷で無意味なノネコ駆除
の即時中止を引き続き求める。

環境省はアマミノクロウサギの生息の状況をセンサーカメラや糞粒調査により把握
しており、マングース対策等の進展により、生息数は増加傾向を続けていることを把握
しています。 一方 で、 アマミノクロウサギの推定 個体数 について 試算 を行っているもの
の、 統計的に ばらつきが大きく まだ十分に信頼性が高くないと考えられ、 科学的 な観点
から精度の高い個体数推定値が得られている状況ではありません 。
奄美群島 では、 中・大型の肉食性の野生 ほ乳類 がいない環境下で生態系が形成され、
アマミノ クロウサギの 他にも、 種の保存法に基づく国内希少野生動植物種である アマミ
トゲネズミ、 ケナガネズミ、 オーストン オオアカゲラ などの 固有希少種が生息し ており、
それらの種がノネコ に捕食されている こと が ノネコの糞分析やセンサーカメラによる
調査から 分かっています 。 従って、たとえ アマミノクロウサギが増加していたとしても、
多 く の 絶滅のおそれのある種 に対しての捕食 が 継続して おり、 その脅威となっているこ
とから 、 ノネコの対策が必要であることは 明らかです 。 環境省では 、 これらの希少種と
奄美群島の 固有 で 豊かな生態系を保全するためには、強力な捕食者であるノネコ の対策
を行う ことが不可欠であると考えています。

2.現状、私たちの駆除中止要請を無視して行われているノネコ捕獲は、猫だけでなく
他の動物も含め、 1 日 1 度の見回りで、水や食料が与えられない状態で、その健康及び
安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させている事実から、明ら
かに動物愛護法 44 条違反であり、動物虐待に当たる。環境大臣においては関係部署お
よび請負業者らに対して刑事訴訟法第 239 条第 2 項を順守した対応を要請する。
また、同法を所管する環境省が、動物虐待を続けている現状は言語道断であることか
ら捕獲の暫定的中止を要請する。

環境省で行う 奄美大島における ノネコの捕獲事業は、 「 鳥獣の保護及び管理並びに狩
猟の適正化に関する法律 」 による許可 を受けて実施しています。 環境省としては、 「 動
物 の 愛護 及び 管理 に関する法律」 を踏まえ、虐待と なることがないよう 捕獲 事業を実施
しています。また同事業は、鹿児島県及び地元五市町村とともに策定した「奄美大島に
おける生態系保全のためのノネコ管理計画」に基づき、計画的に実施しているものです。
はこわなは、わな内の温度が上昇しないよう、風通しの良い木陰に置くようにしてい
ます。なお、木陰に設置したはこわな内部の温度環境を測定した結果、外気温とほぼ変
わらないことを確認しています。また、捕獲動物の負担を軽減するため、わなの改善等
を検討しています。

3.ノネコ駆除中止決定までの暫定的対応として、同法44 条違反にならない捕獲方法
に変更することを要請する。
法順守のために最低しなければならないことは、「捕獲器稼働中は捕獲器を常時監視
するために捕獲器1台につき、最低1 名の職員を常在させる。現状の24 時間稼働の場
合は24 時間の常在監視を行う」ことであり、この対応ができる数の捕獲器の設置にと
どめることを要請する。

捕獲動物の負担を更に軽減するため、わなや捕獲方法の改善を検討し、できる限りの
配慮を行ってまいります。

4.ノネコの譲渡については、ノネコ駆除中止決定までの暫定的対応として、譲渡条件
の緩和を求める。

譲渡条件については、捕獲事業の開始後、約1年が経過したことを踏まえ、地元の奄
美大島ねこ対策協議会において譲渡条件を含めて改正内容について検討されています。

5.動愛法を順守した捕獲を行うには1650 億円が必要だが、1650 億円もの費用をかけ
てもなおノネコ駆除が必要であることの根拠について合理的な説明を求める。

上記1.の回答の通りです。

6.上記、2、3、4 は上記1 で要請しているノネコ捕獲中止実行までの暫定的対応とし
て要請するもので、本要請は血税を無駄に使い、残酷で無意味なノネコ駆除の即時中止
を求めるものであることを再度、申し添え、本件の早急な対応と回答を求める。